給与アップだけでは止まらない! 医療従事者が「この病院で働き続けたい」と思う3つの職場環境

「求人広告を出しても応募が来ない」 「やっと採用した看護師が、半年で辞めてしまう」 「現場は常に人手不足で、残ったベテラン職員が疲弊していく……」

今、多くの医療機関の経営者・事務長様が、このような「負のスパイラル」に頭を悩ませています。 人手不足解消のために「給与や賞与の引き上げ」を行うことは一つの手段ですが、診療報酬という公定価格で運営される病院経営において、人件費の原資には限界があります。

では、資金力のある大手グループ病院に負けないために、打つ手はないのでしょうか? いいえ、そんなことはありません。 実は、職員が「ここで働き続けたい」と感じる理由は、給与の額面だけではないのです。

今回は、医療・介護業界に特化した社労士の視点から、「“極力お金をかけず”定着率を上げるための3つの仕組み」について解説します。


1. 給与よりも「不公平感」をなくす【労務制度】

現場のスタッフが辞める最大の原因の一つは、「不公平感」です。

  • 「あの人ばかり楽なシフトでズルい」
  • 「頑張っても頑張らなくても、待遇が変わらない」

このような不満が蓄積すると、モチベーションの高い職員ほど見切りをつけて辞めてしまいます。 重要なのは、「頑張りが正当に評価されるルール」があるかどうかです。

なにも、複雑な人事評価制度を導入する必要はありません。
「夜勤の回数や負担を可視化して平準化する」「資格取得や委員会活動への貢献を、少額でも手当として評価する」といった、公平性を担保するルール作りが定着への第一歩です。

2. 未来への希望を見せる【キャリアパス】

「このまま何年も、同じ業務の繰り返しなのだろうか……」 日々の業務に忙殺される中で、ふと訪れる将来への不安も離職の大きな要因です。

特に、若手や中堅層にとっては「ここで働き続けた先の自分の姿」がイメージできるかが重要です

  • 専門看護師や認定資格へのチャレンジを支援する
  • マネジメント職だけでなく、現場のスペシャリストとしてのコースを用意する

このように「病院が職員の成長を応援している」という姿勢を見せるだけで、組織へのエンゲージメント(帰属意識)は劇的に高まります。

3. お金をかけない福利厚生【心理的安全性】

「福利厚生」というと、保養所や豪華な食事補助をイメージされるかもしれませんが、人材定着に最も効くのは「心の福利厚生」です。

医療現場は、常に緊張を強いられ、ミスが許されない職場です。だからこそ、職員同士が互いを認め合う「心理的安全性」が不可欠です。

  • 感謝の「見える化」: 「ありがとう」をカードやチャットツールで伝え合う(サンクスカードの導入など)
  • 柔軟な働き方: 子育てや介護中の職員に対し、短時間勤務や急な休みを「お互い様」でカバーできる風土を作る

これらは多額のコストをかけずに、今すぐ始められる施策です。 「誰かが見ていてくれる」「困ったときは助けてもらえる」という安心感こそが、最強の離職防止策となります。


採用コストをかける前に、定着の「仕組み」づくりを

職員が1人辞めて、新たに1人を採用・育成するためにかかるコストは、年収の半分以上とも言われます。
給与アップ競争で消耗する前に、まずは今いる職員が「辞めない仕組み」を見直してみませんか?

社会保険労務士事務所ベイプラスでは、医療機関での実務経験に基づき、貴院の現状に合わせた「評価制度の設計」や「定着支援」のサポートを行っております。
「人が辞めない病院」を一緒に作っていきましょう。

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