従業員数が「50人」に近づいたら要注意! 会社が絶対にやるべき「5つの法的義務」とは?
こんにちは。特定社会保険労務士の石川です。
さっそくですが、みなさんの会社の規模はどれくらいですか?資本金1億円?年商10億円?
売上高や資本金は企業規模を見るうえで重要な数値ですが、労働安全衛生法におけるポイントは「従業員数」です。
事業が順調に拡大し、従業員が増えていくのは喜ばしいことです。
しかし、経営者や人事担当者の皆様、「従業員数」が50人以上になると、労働安全衛生法上の様々な義務が一気に発生することをご存知でしょうか?
これらは「知らなかった」では済まされず、対応を怠ると労働基準監督署の是正勧告の対象となります。
今回は、従業員数が50人に到達する前に準備しておくべき「5つの義務」について、実務的なポイントを絞って解説します。
1. 「50人の壁」とは? カウント方法に注意!
労働安全衛生法では、事業場の従業員数が「常時50人以上」になると、衛生管理体制の整備が義務付けられます。
ここで注意が必要なのが「50人」のカウント方法です。
正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト、契約社員なども含めて「常時使用する労働者」であればカウント対象となります。
「正社員は30人だから大丈夫」と思っていても、パート・アルバイトを含めると50人を超えているケースは非常に多いので、まずは自社の現状を正しく把握しましょう。
2. 50人以上で発生する「5つの義務」
具体的に、どのような対応が必要になるのでしょうか。主な義務は以下の5つです。
① 産業医の選任
医師の中から「産業医」を選任し、従業員の健康管理(健康相談、職場巡視など)を行ってもらう必要があります。
- ここがポイント: 選任するだけでなく、所轄の労働基準監督署へ「選任報告」を提出する必要があります 。
② 衛生管理者の選任
従業員の中から、衛生管理の資格(第一種・第二種衛生管理者免許など)を持つ者を「衛生管理者」として選任しなければなりません。
- ここがポイント: こちらも産業医と同様に、労働基準監督署への「選任報告」が必須です 。
社内に資格者がいない場合は、早急に資格取得を促すか、外部から採用する計画を立てる必要があります。
③ 衛生委員会の設置と開催
会社側と従業員側の代表者で構成される「衛生委員会」を設置し、月1回以上開催しなければなりません 。
- ここがポイント: 「名ばかり委員会」はNGです。毎月開催し、「議事録」を作成して従業員に周知するとともに、その議事録を3年間保存する義務があります 。
④ 定期健康診断結果報告書の提出
健康診断自体は50人未満でも義務ですが、50人以上になると、その結果をまとめた「定期健康診断結果報告書」を労働基準監督署へ提出する義務が発生します 。
- ここがポイント: パート・アルバイトの方でも、「週の所定労働時間が正社員の3/4以上」であれば健診の対象に含まれます 。報告書の集計漏れにご注意ください。
⑤ ストレスチェックの実施
1年に1回、全従業員に対して「ストレスチェック」を実施することが義務化されます 。
- ここがポイント: 検査を実施して本人に通知するだけでなく、集団分析を行って職場環境改善に活かすこと、そして実施状況を労働基準監督署へ報告することが求められます 。
3. 「うちは大丈夫?」と思ったら、まずはチェックを
50人以上になると、これだけ多くの業務が発生します。
「産業医はどうやって探せばいい?」「衛生委員会の議事録には何を書けばいいの?」と不安に思われる担当者様も多いはずです。
50人を超えてから慌てて準備を始めると、法令違反の状態が続いてしまうリスクがあります。40人を超えたあたりから、計画的に準備を進めることを強くお勧めします。
「自社の状況が不安」「何から手をつければ良いかわからない」という方は、ぜひ社会保険労務士事務所ベイプラスまでお気軽にお問い合わせください。貴社の状況に合わせた最適な体制づくりをサポートいたします。
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今回ご紹介した5つの義務について、
- 現状の対応状況はどうか?
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